こんにちは。
「生きづらさ」の鎧を脱ぎ、楽で自由になるカウンセリング。
心理カウンセラーの野内みちるです。
今日は、ネガティブな感情の代表格、会社で言うと、代表取締役社長くらいに当たると思われる(←えっ?)、「怒り」について、とても参考になる本だなと思ったので、「アンガーマネジメント入門」という本をご紹介したいと思います。
概略
以下が、概略です。
仕事で家庭で、日々、イライラ、ムカムカに悩まされている人必読!
「怒り」のコントロール術である「アンガーマネジメント」をわかりやすく実践しやすいよう解説した入門書。
日本にアンガーマネジメントを普及させた安藤氏、初の文庫!
【目次】
第1章 なぜ、人は「怒り」にふりまわされるのか?
第2章 「アンガーマネジメント」の仕組みを知る
第3章 まずは、「なりたい自分」をイメージする
第4章 カチン! ムカッ! ときたときの感情の抑え方
第5章 記憶することで「怒り」を「見える化」する
第6章 自分の中に「怒りにくい仕組み」をつくる
第7章 自分の気持ちの「上手な伝え方」を身につける
アンガーマネジメントとは?
著者によれば、アンガーマネジメントとは、「怒りのマネジメント」、そしてそれは技術であるとされます(なので、精神論ではなく練習して誰でも身に付けられるものと位置づけられています)。
また、全く怒らないということでなく、「ムダに怒らないため、あるいは「怒り」の感情を上手に受け止めてプラスに生かすため」のアンガーマネジメントであるということが明記されています。
問題は、怒りのままに行動してしまうことで(例えば、怒りにまかせて言わなくて良いことを言ってしまうとか、誰かを殴ってしまうとかですね)、その怒りを目標達成に生かすとか建設的な行動につなげようということが趣旨と私は取りました。
本の2つのメインパート
この本は、大きく分けると、2つのメインパートに分かれています。
1.行動の修正
―第4章「カチン! ムカッ! ときたときの感情の抑え方」
―第7章「自分の気持ちの「上手な伝え方」を身につける」)
2.認識の修正
―第5章 記憶することで「怒り」を「見える化」する
―第6章 自分の中に「怒りにくい仕組み」をつくる
行動の修正
メインパートの1つ目は、「行動の修正」です。
カチンときた、ムカッときた時に、いかに衝動にまかせて怒りのままに行動しないですむようになるかが取り上げられています。
一般的には、「怒りをコントロールする」というのはこの部分をイメージされる人が多いかもしれませんね。
テクニックとして、「100から6ずつ引く」など、とにかく頭の中をちょっと手のかかる計算で埋めることで反応を遅らせる等の具体的な方法が紹介されています。
そして、怒りのままに行動する代わりに、アサーティブコミュニケーションを取ろうということで、「会話の主語を“私は”にしてみる」などのやり方が紹介されています(この部分をブログのこの記事で取り上げました)。
認識の修正
メインパートの2つ目は、「認識の修正」です。
頭の中を怒りにくい仕組みにするということです。
同じ出来事が起こっても、怒り狂う人もいれば、あまり怒りを感じない人もいますよね。
つまり、出来事そのものが自動的に怒りを呼び起こすわけでなくて、その出来事をある人(Aさん)がどのように認識しているかが重要という観点に立っています。
認識の修正編では、アンガーログ(怒りの記録)の書き方から、可視化した自分の怒りのパターンをどのように変えていくかまで、こちらもゴリゴリの技術として落とし込まれています。
まとめ
この本は、「怒り」という扱いの難しいテーマに正面から切り込んでいます。
また、「我慢しよう」等の精神論は一切ありません。「技術」として徹底的に落とし込んでいるところに個人的に好感を持ちました。
また、本で扱っているのは、単純に短期的・瞬間的な「カチン! ムカッ! ときたときの感情の抑え方」だけではありません。
長期的な認識の修正やアサーティブコミュニケーションにも踏み込んでいます。
ある意味、コンパクトながら至れり尽くせりの一冊と思います(^^)。
文体も匂い立つ名文というよりも極めて明晰・クリーンなタイプです。
多くの人が読みやすいものではないかと思いました。
興味のある方は是非!
【「怒り」「イライラ」解消について、もう一記事いかがですか?】
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〇怒れない人のための怒り入門(1)
〇怒れない人のための怒り入門(2)
〇怒れない人のための怒り入門(3)
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