こんばんは。
「生きづらさ」の鎧を脱ぎ、楽で自由になるカウンセリング。
心理カウンセラーの野内みちるです。
今日は、ココロノマルシェにいただいたお悩みにご回答させていただきます。
動画でも回答していますので、よかったらご覧ください。
ご相談文
周囲の期待と自分の実力(ご相談者さん:鳩さん)
はじめまして。私は国際NGOの日本事務局で働いている23歳です。
私は英語もできないし、抜けているのでミスも多いし、学歴も頭もよくない凡人なのですが、「この業界をもっと良くしていきたい!」という想いだけで、今の仕事に携わらせてもらっています。
事務局には職員が2人しかいないのですが、1年後から上司である事務局長が出世し、いなくなってしまうために、私が事務局長になることが周囲から期待されています。私はまだ社会人1年目で、自分の考えすら求められても出てきません。
『国際機関で働きたい人は他にもたくさんいて、とても優秀な人もいるはずのに、なぜ私なんだろう。引き継ぎが面倒だからアルバイト時代から関わっている私なのではないか。周りの方々が優しいから、私の「ここで働きたい」という意志を尊重してくれただけで、私は役に立ててないのではないか。貢献できていないのではないか。』といつも思っています。
同じ職場の人達からは「もったいない」とか「今のあなたに満足してない」と言われます。体力もないので、毎日8時間仕事をこなすだけでも苦しいのですが、いつも黙って言うことを聞いているだけなので、不満なんだと思います。『ここにいられなくなったらどうしよう、これから社会で生きていけるのだろうか』という恐怖や不安、焦りばかりが募っていて、休日も心が休まらないです。もっと勉強しなきゃ、頑張らなきゃと追い立ててしまいます。
上司も忙しすぎるからか、私には無関心で、質問したら答えてくれますが、基本的に褒めも叱りもしません。仕事もほいっと任せられるので、これでいいんだろうかと思いながらいつも仕事をしています。同年代もおらず、他の職員の方との交流もほぼなく、面倒見の良い方がたまに声をかけてくださるくらいで、相談できる人がいません。職場の方に「落ち込んだら慰めてあげるから相談して」と言われたこともありますが、役に立てていないのに、更にその方に頼るのは申し訳ないし、あげるよとお世辞を貰っても本当の言葉として信じられません。職場でも家でも遠慮したりして、上手くコミュニケーションができず、1人でずっとぐるぐると考え込んでしまっています。
色んなことの原因が私の捉え方にあることはわかっていて、心理学を勉強したりして、自分の感じたことや考えたことを日頃から言語化するようにはしているのですが、一向に改善せず、時間ばかりを浪費しています…。
積極的になれないのは、親が過保護だったからでしょうか。お姫様のように育てられたから、自分では何も出来ないのでしょうか。でも、周りの人達がすごい方ばかりで、無意識に自分にはできないからと意見が出てこない脳になっているような気もしています。自分がどこまで動いていいのか、与えられている役割の範囲がどこかも分からず、様子を伺ったり、ブレーキをかけてしまっているとも思います。
私はどうしたら良いのでしょうか…。
この気持ちをどこに吐き出したら良いか分からず、要らぬ内容も書いてしまいました。
長々とすみません。アドバイス頂けたら嬉しいです。
長文読んでくださりありがとうございました。
ご回答はここからです。
鳩さん、ご相談ありがとうございます^^
鳩さんは国際 NGO の日本の事務局で働いていらっしゃって、今23歳ということなので、社会人1年目ということでね。
環境的に、同世代がいない環境で働き始めた方には、鳩さんと同じお悩みを持っている方も多いのではないかと思います。
鳩さんは働き始めたばかりで大変なことも多いと思うのですが、
>「この業界をもっと良くしていきたい!」という想いだけで、今の仕事に携わらせてもらっています。
という一文。
私は、「本当に鳩さん素敵だな!」「そういう素敵なビジョンを持って働けるって最高だな!」と思いまして、是非是非応援できればと思い、ご回答させていただければと思います^^
今日は、今の苦しい状況をどう乗り越えたらいいのかについて、3つのポイントからご回答したいと思います。
何か少しでも参考になれば幸いです^^
不安は、初めて働く人にとっては無理ないことということを知ってみる
鳩さんが感じられている不安や「どうしたらいいんだろう」という気持ち。
これは、初めて働く人にとっては無理ないことということを知ってみるというのが、1つ目のポイントです。
言い換えると、別に鳩さんが何か心理的に悪いというわけではなく、
>仕事もほいっと任せられるので、これでいいんだろうかと思いながらいつも仕事をしています。同年代もおらず、他の職員の方との交流もほぼなく、面倒見の良い方がたまに声をかけてくださるくらいで、相談できる人がいません。
という環境的になかなか厳しい中、鳩さんはとってもよく頑張っていらっしゃるかと思います^^
こういう環境の中で、
>自分がどこまで動いていいのか、与えられている役割の範囲がどこかも分からず、様子を伺ったり、ブレーキをかけてしまっているとも思います。
となるのは、無理ないことではないかと思います。
私自身も、大学院の時にアルバイトしていたシンクタンクでそのまま働き始めたというのがキャリアのスタートでした。
そして、そのシンクタンクでは、毎年新入社員が来ることはなく、ずっと新入社員が誰も来なかったですし、自分が一番年下で、結構年齢が離れた人しかいないという環境だったんですね。
そうすると、「どう動いたらいいんだろう…」とか、「与えられている役割の範囲はどこまでなのか」とか、定型業務ではない仕事だと、最初わからないのは無理ないことかと思います。
例えば同期がいたり、年の近い人が会社の中にいたりする環境ならば、
Aさん「どこまでやっていいかわからずに困ってるんだよね」
Bさん「私も!」
という会話が自然とされて、「みんなそうなんだな」と思えたりするかもしれません。
ただ、鳩さんのように、同期や年の近い人がいない環境ですと、「みんなはできているのに自分一人だけ何もわかってないし、どうしていいのかもわからない」ように感じてしまうかもしれません。
でも、鳩さんはそういう環境的に難しい状況の中で頑張っていらっしゃるし、戸惑うこと自体は無理ないことなんだということを、まずは知っていただくのはいかがでしょうか^^?
上司や周囲の人に、自分の状況や思っていることを開示する
2つ目は、1つ目の内容を踏まえ、「コミュニケーションをしてみる」になります。
先ほど1つ目のポイントで書いた通り、その状況では「わからない」というのは、本当に無理ないことだと思います。
なので、「ここがわからなくて困っています」「どこまでやったらいいのか知りたいです」「〇〇さんだったら、どうされていますか?」など、上司や周囲の人に、自分の状況や思っていることを開示するのはいかがでしょうか^^?
「人に聞くのはドキドキしてしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、コミュニケーションの型を学ぶだけでも、楽に聞けるようになる場合もあります^^
(コミュニケーションは技術なので、技術を学ぶと楽になる場合もあります)
例えば、私は自分の気持ちを爽やかに、わかりやすく伝える方法として、「アサーティブコミュニケーション」をお勧めしています。
「アサーティブコミュニケーション」のワークブックもプレゼントしていますので、よかったら参考にしていただければと思います^^
「自分ってダメだ」教に入信していないかチェックしてみる
最後は、1つ目・2つ目を読んで、
「わかる部分もあるけど…。でも…」
と思った時に読んでいただければと思います^^
カウンセリング的な視点から見ると、
「自分ってダメだ」教に入信されていませんか?
というのをチェックしてみていただければと思います。
「自分ってダメだ」教とは何かと言いますと、「自分ってダメだ」というのをものすごく強く信じてる状況のようなものです。
つまり、実際には鳩さんには素晴らしいところや長所・魅力や才能がたくさんあるのですが、「自分ってダメだ」教に入っていると、「自分はダメだ」としか思えなくなります。
これは、スキーなどに行く時に、雪焼きしないようにサングラスをかけると、雪は白いのですが、サングラスをかけると雪が灰色に見えたりするのと似ています。
「自分ってダメだ」という色眼鏡をかけているので、どのようなことでも、「自分ってダメだ」と見えてしまうという現象です。
そして、「自分ってダメだ」教に入信していると、そのダメな自分を補ってあまりあるぐらい「頑張らなければ!」「もっと勉強しなきゃ!」といったように、ものすごく力が入ってしまったりすることも起こります。(こういうのを「補償行為」と言ったりします。)
鳩さんはここまで読まれてきて、どのように思われたでしょうか^^?
もし、「あ~、もしかしたら当てはまるかも…」と思われたら、「自分ってダメだ」教を脱退すると、もっと生きやすく仕事も人間関係も楽に自由に楽しめるようになると思います^^
今日は、最後に「自分ってダメだ」教を脱退する方法を2つご紹介したいと思います。
自己肯定的眼鏡に変更していく
先ほど、「自分ってダメだ」という色眼鏡をかけているような状態というお話を書きました。
そうすると、この「自分ってダメだ」という色眼鏡を「自分にも良い所があるよね」という自己肯定的な色眼鏡に変更していくという方法があります。
すごく地道な作業なのですが、
毎日自分ができたことや良かったことを3つ書き出す
という自己肯定感のワークがあります。
(これは、数か月単位で取り組むワークなのですが、手軽にできるので、良かったらお試しいただければと思います^^)
「自分ってダメだ」と思うに至った過去の何らかの出来事を扱う
2つ目は、これはカウンセリングなどで扱うのですが、「自分ってダメだ」と思うに至った過去の何らかの出来事を扱うという方法があります。
>親が過保護だったからでしょうか。お姫様のように育てられたから、自分では何も出来ないのでしょうか。
と鳩さんが書いて下さっているので、もしかしたら、こういった親との関係を扱うこともあるかもしれません。(ここは、詳しくお話を聴いてみないとわからないのですが。)
過去の出来事を振り返り、感情を整理していくことで、「自分ってダメだというのは誤解だったのかな」ということを心から納得できるように一緒に取り組んでいきます。
まとめ
今日は、会社の役に立てていないと思った時の心理学的対処法として、3つのポイントをご回答しました。
動画でも回答していますので、よかったらご覧ください。
ちなみに、「自分ってダメだ」教は、私も長らく入信していました(;^_^A、
その経験を踏まえて、たくさん記事も書いていますので、もし良かったらご覧ください^^
【「自分ってダメだ」教を脱退するための参考記事】
〇「自分には長所がない」と思ったとき、簡単に長所を見つける方法(1)
〇「自分には長所がない」と思ったとき、簡単に長所を見つける方法(2)
〇自分の価値や魅力を受け取れてますか?
〇【お悩み相談】仕事に自信がなさ過ぎて、できる仕事がないと思ってしまう(動画で回答)
〇【お悩み相談】自分の容姿に自信がなく、女性は素材で全て決まると思ってしまう
〇「あ~、やっぱり私はダメな人間…」と思ってしまう時に、楽になる方法
〇実績・能力はすごくても自信がない方へ
〇自分の声が気持ち悪い時の対処法
〇「~するべき」ばっかりになっていないでしょうか?
何か少しでもご参考になれば嬉しいです。
このたびはご相談ありがとうございました(*^-^*)。
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この記事を読んで下さって、「この場合はどうだろう?」「自分の場合はどうだろう?」と思われた方は、是非、こちらから↓ご質問をいただければ嬉しいです^^
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