こんばんは(^^)「生きづらさ」の鎧を脱ぎ、楽で自由になるカウンセリング。野内です。
今日は、私のカウンセリングの師匠である根本裕幸師匠のカウンセリングの一面について勝手に考察する回です。
※今日はネタ記事ですので、生暖かく読んでいただくか、「カウンセリングって何かな?」と考える一つのきっかけみたいに見ていただけると嬉しいです~(。-人-。) 。カウンセリングって何か怖そうなイメージの方もいるかもしれないので、少しでも言語化できればという試みです。
心理カウンセラー根本裕幸師匠
私は、2021年の2月(正式な講座開始は3月)あたりから、心理カウンセラー根本裕幸師匠に師事して、カウンセリングを勉強しています。
その講座(お弟子さん講座4期)の中で、師匠が自分のカウンセリングスタイルを解説してくれるということがありました。
また、毎回の講座では、師匠のデモセッション(受講生の1人がクライアント役をやって実際に師匠がカウンセリングを行うのを見せてもらうこと)というのもありまして、実際にどうやって師匠がカウンセリングをしているのかを学んでいます(先日は、私がクライアント役として血祭りにあげられた様子wはこちら)。
一般的には、カウンセリングというのは、傾聴的なものと捉えられていることが多いかと思います。もちろんそれは大切なものなのですが、必ずしも傾聴的なものだけではないというところもあるかと思います。
師匠が自分のカウンセリングにおいて、
「なぜこういう問題が起きているかという矛盾のない物語をクライアントに話せるように情報収集する」
「クライアントの話の中で、違和感を大事にしている」
ということを言っていました。
それを聞いて、師匠のカウンセリングって、分析的なのですが、特に「アブダクション」という推論形式をうまく使っているのでは?と思ったので、今日はそのことを書きたいと思います。
(私は、本職は分析職なので、分析好きなのです(^^))。
推論の3形式
まず、「アブダクションって何?」と思われる方が多いと思うので、そのあたりから。
カウンセリングでは、クライアントさんのお話を聴いて、「クライアントさんはどのような方か」「なぜこういう問題が起きているか」ということをクライアントさんと一緒に推論していくということがあるかと思います(そういうスタイルのカウンセラーはですが)。
そして、私たちの推論の形式とは以下の3つの形式があると言われています(以下、推論の形式に関するのは、以下の本からのまとめました)。
(a)演繹的推論
(b)帰納的推論
(c)アブダクション(遡及推論)
(a)演繹的推論
演繹的推論とは、以下の推論です。
演繹的推論:「前提の内容に暗々裏に含まれている情報を解明し、それを結論として導き出す分析的推論」
すいません(^_^;)、分かりにくいですね。例を挙げますとこんな感じ↓。
クライアントさんの言葉(例):
〇「人間って信用ならないものなんですよ」
〇「今、(人間の)上司がいるんですけど、なかなか上の方針を伝えてくれなくて~」
カウンセリングにおける推論(例):
〇クライアントさんの中で「人間って信用ならないもの」という前提がある。
〇「上司も人間である」
→(推論)「クライアントさんの中で上司も信用ならないものと思っているのでは?」
カウンセリングに引き寄せて考えると、クライアントさんの持っている前提(「人間=〇〇」「お金=〇〇」「仕事=〇〇」などなど)に含まれている情報から推論を行う形式と考えられるのかな?と思います。
(b)帰納的推論
帰納的推論は日常生活でよく使われる推論ですね。いくつかの事例から、一般化を行う推論です。
例えば、
クライアントさんの言葉(例):
〇「事務職でA社に勤めていたけど、細かい作業がしんどくなってしまって辞めた」
〇「次に同じ職種でB社に勤めたけどまた細かい作業で怒られてしんどくなってしまって辞めた」
〇「次に同じ職種C社に勤めたけどまたしても細かい作業でミスしてしんどい」
カウンセリングにおける推論(例):
〇「事務職でA社、細かい作業しんどい」
〇「事務職でB社、細かい作業で怒られしんどい」
〇「事務職でC社、細かい作業でミスしてしんどい」
→(推論)「この方は細かい作業がそもそもしんどいのでは?」
カウンセリングに引き寄せて考えると、クライアントさんの話の個別のいくつかの事例から、共通のパターンを推論するという推論の形式と考えられるのかな?と思います。
(c)アブダクション(遡及推論)
さて、最後アブダクション。アブダクションは「事実の断片から、それを説明しそうな枠組み(仮説)を推論すること」です。
事実の断片(クライアントさんの言葉にあたります)から、それを説明しそうな枠組み・仮説(こういうメカニズムによってクライアントさんが言ったことを説明できるのは?という仮説)を推論するということです。
この時、一見矛盾する事実の断片があった場合は、それを丸ごと包括できる枠組み・仮説を立てます。新しい事実の断片が出てきたら、新しいものも含めて説明できる枠組み・仮説を立て直します。
根本先生の「クライアントの話の中で、違和感を大事にしている」「なぜこういう問題が起きているかという矛盾のない物語をクライアントに話せるように情報収集する」という言葉って、非常にアブダクション的な推論をうまく使っている人が言いそうなことだな~と思ったのですね。
アブダクションは、
①驚くべき事実Aが発見される(要は、クライアントさんの話で「あれ?」っと思った点に注意するということかな?)
②驚くべき事実Aを理論的に説明可能な仮説を思いつく(こういう事情があったらAということを言ってもおかしくないなという仮説を思いつく)
③その仮説がうまく他のことを説明しているかを検証する(クライアントさんの他の話も含めて説明できるかを確認する)
という流れになっていると考えられます。
まとめ
今日は超マニアックに、推論の形式という観点から根本裕幸師匠のカウンセリングスタイルの一面について勝手に考察してみました。
実際には、推論の3形式をカウンセリングでは入り乱れて使う場合も多いと思うのですが、どの辺が特に強いかはカウンセラーによるのかなと思ったりしました。
また、アブダクションはシャーロック・ホームズが使っている推論形式とも言われていまして、もし興味のある方はチェックしてみていてだければと思います。
実際にもう1つ根本師匠のカウンセリングを受けて印象に残ったことがあるのですが、それは明日また書きたいと思います。
ものすごくマニアックな内容を読んで下さって、本当にありがとうございました(^^)。師匠のような問題の構造が分かってクライアントさんがスッキリできるようなセッションをできるように頑張っていきたいと思っている野内でした。
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