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こんにちは。
「生きづらさ」の鎧を脱ぎ、楽で自由になるカウンセリング。
心理カウンセラーの野内みちるです。
今日は、ココロノマルシェにいただいたお悩みにご回答させていただきます。
ご相談文
自分を許す(ご相談者さん:シモンズさん)
ココロノマルシェには何度もお世話になっており、ありがとうございます。
仕事のことですが、私は昔処理をしなければいけない仕事を数年できずに積み上げてしまい、結果、上司に対応してもらったことがありました。その時は上司に本当に申し訳なくて、仕事が出来なかった自分や出来ないと言えなかった自分を相当責めました。その仕事は毎年あるのですが、それ以降は担当分が減ったこともあり、二度と同じことはするまいと心に決めて期間内に終わらせています。
今その仕事は3人で分担しているのですが、そのうち1人が昔の私のように期間内に出来ず、対応が出来なくなり、出来なかった分を代わりに私が対応しなければいけなくなりました。
その時は「あの時私がやらなければいけなかった分が返ってきたんだ、バチが当たったんだ」と思いました。
でも、少し時間が経つと、昔の自分を見せて「あの頃の自分を許せますか」と言われてるように思いました。少し前から私の今のテーマは自分を許すだと思っていたところに今回の出来事があったためです。
あと、代わりに対応すること自体には怒りはないのですが、その人に前から嫌悪感があり、言うことやること全否定していて、自分を投影していているのかなとも思っています。
自分を許せないために、厳しくなり、責めたり、自分にも周りの人にも優しく出来ない私が嫌です。自分を許せたら、責めることも減らせて、自分にも周りの人にも優しく、楽に生きていけるのではないかと思っています。
ご回答はここからです。
シモンズさん、ご相談ありがとうございます^^
過去の自分の失敗や過ち。
その時の自分を心の中ですごく責めている。
だから、二度とそうならないように自分に厳しく頑張っている。
また、その厳しい基準を他の人にも適応して、他人にも厳しくなってしまう。
シモンズさんのご相談にあるこういったパターンに無意識に陥ってしまっている人は多いかもしれません。
最近、「セルフ・コンパッション(self-compassion)」という言葉が少しずつ出てきています。
「自分への慈しみ」「自分への思いやり」といった意味ですが、自分を責めずにあたたかく受容するという意味かと思います。
シモンズさんが書いて下さっている通り、自分に思いやりを持って優しく接している人は、不安や抑うつが低く、幸福感が高いという研究もあります。
実際、シモンズさんは、随分ご自身と向き合ってこられてるのかなと思います^^
というのも、そもそも自分を責めているということに気づいていない場合も多いです。
過去の自分の失敗や過ち。
それを思い出すと腹の中が捻じれるような不快感を感じたり、「思い出したくもない!」と強く思っている方は、その当時の自分に対してどんな言葉をかけているかを紙に書き出すと、ビックリするぐらいキツい言葉で自分を責めていることに気が付くかもしれません。
シモンズさんは、いろいろとご自身と向き合ってこられて、「過去の経験のことで自分を責めているな」「それが今の仕事場での同僚への感情に影響しているのかな」ということに気が付かれていていらっしゃるのですね(素晴らしいです!!!)^^
とはいえ、「自分を許して、周りにも自分にも優しく生きやすくなるには、具体的にどうしたらいいんだろう…?」と思われる方も多いかと思います。
今日は、過去の失敗から自分を許す方法として、3つのポイントをご紹介します。
何か少しでも参考になれば幸いです^^
そうせざるを得なかった過去の自分を感情的に理解する
1つ目は「そうせざるを得なかった過去の自分を感情的に理解する」です。
過去の自分がなぜそうせざるをえなかったのかを理解してあげるというところが、自分責めから抜け出す1歩目になるかと思います^^
>私は昔処理をしなければいけない仕事を数年できずに積み上げてしまい、結果、上司に対応してもらったことがありました。
というシモンズさんの例をちょっと見てみます。
この時も、シモンズさんは別に「上司にやってもらえばいいぜ♪」と思って、仕事をやらなかったわけではきっとないと思うのですね。
いろいろな事情があって、本当はやらないといけないと思っていたけれども、できなかったということではないかと思います。
「そうは言っても…」と思われるかもしれませんが、
>出来ないと言えなかった自分を相当責めました。
と書いてくださっています。
そこから、シモンズさんは、「ちょっとこれができなくて困ってるんです」ということを伝えることも躊躇するぐらい、ずっと一人で頑張ってこられたのではないかなと思います。
(もしかしたら、この一人で頑張るクセは、働き出す前から幼少期に培われたものである場合もあるかもしれません。)
また、他の仕事が重なっていたとか、まだ入ったばかりでやり方がよくわからなかったとか、実はいろいろな事情があったのではないかと思います。
なので、「どんな事情があったのかな?」という目線で、その当時の自分を理解してあげるというところを1つ目のポイントに挙げたいと思います。
これができると、「あー、確かに結果としては良くないところもあったかもしれないけど、当時の自分なりに懸命にやっていたんだな」と自分に優しい目線で見ることができます。
「罪悪感」を「感謝」に変換する
2つ目のポイントは「罪悪感」を「感謝」に変換することです。
>その時は上司に本当に申し訳なくて
と書いて下さっていて、シモンズさんとしては、「上司の方に本当に申し訳ない( ;∀;)」「自分のせいで上司に迷惑をかけて本当に申し訳ない( ;∀;)」というお気持ちがあったのではないかと思います。
で、この「申し訳ない」というのは「罪悪感」という感情です。
私はカウンセリングなどでは、罪悪感は「感謝」に変換できると言うことが多いです^^
上司の方に「申し訳ない」と思うお気持ちもお察しします。
でも、「上司の方、ありがとう」と思うこともできるのではないかと思います。
「上司の方に申し訳なかったな」「私のせいで申し訳なかったな」という気持ちが出てきた時、「でも、ありがとう」「そんな私を助けてくれてありがとう」と変換してみていただくというのは、いかがでしょうか^^?
自分への罪悪感に入るのではなく、感謝に意識を向ける。
自分を責めるのではなく、相手に感謝の気持ちを向ける。
そうすると、自分責めを感謝に変換できて、気持ちが楽になる場合もあります^^。
過去の失敗で自分を責めることによって得ているメリットを明確にする
3つ目は、「過去の失敗で自分を責めることによって得ているメリットを明確にする」です。
これは少しマニアックなのですが、「自分を責めているな」と気が付いて「自分を許そう」と思っていても、なかなかそれが達成されない場合、実は「自分を責める・自分を許さない」ことによって何らかの無意識のメリットを得ている場合もあります。
カウンセリングでよくある例を一つあげますと、向上心が強い方で「自分を責めて鞭打つことによって自分を向上させてきた」というパターンを持っている場合があります。
>二度と同じことはするまいと心に決めて期間内に終わらせています。
とシモンズさんも書いて下さっていますが、「自分を責めることによって向上する」「自分を甘やかしたら自分は向上しない、ダメな人間になってしまう」と無意識に思っている方は、向上心の高い方に多い印象です。
そうすると、「自分を責めちゃダメだ」「自分を責めるのはもうやめよう」「自分に厳しくするのやめよう」と表面的には思うのですが、「そうしたら向上できなくなるよ」というもう一方の心の声が実はあり、「自分に厳しく、自分を責めるのを止められない」となるケースもあります。
こんなふうに「自分を責める・自分を許さない」ことによって何らかの無意識のメリットを得ている場合は、それを明らかにしていくことで、実は何がネックになっているかという本当の問題が明確になります。
ちなみに、この「自分を責めて自分に鞭打って向上する」という心のパターンの変え方については、以下の記事で詳しく書いていますので、よかったら参考にしていただけたと思います。
【参考記事】


まとめ
「過去の自分を許して、周りにも自分にも優しく生きやすくなるには、具体的にどうしたらいいんだろう?」というテーマで、3つポイントをご紹介しました。
1.「なんで過去の自分はそういうふうにしないといけなかったか」を感情的に理解する
2.「罪悪感」を「感謝」に変換する
3.過去の失敗で自分を責めることによって得ているメリットを明確にする
今回はこんなご回答ですが、実は今回のシモンズさんのご相談文には疑問文が1つもなかったのですね。
だから、今日ご回答したこととシモンズさんが本当に知りたいことが異なることもあるかもしれません。
その場合はまたご質問いただいたり、「本格的に取り組んでみよう」と思われたら、カウンセリングも活用してみていただけたらと思います^^
何か少しでもご参考になれば嬉しいです。
自分責めを卒業して楽に自由に生きやすくなるかカウンセリングはこちら
動画でも回答していますので、よかったらご覧ください^^
このたびはご相談ありがとうございました(*^-^*)。
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この記事を読んで下さって、「この場合はどうだろう?」「自分の場合はどうだろう?」と思われた方は、是非、こちらから↓ご質問をいただければ嬉しいです^^

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