こんにちは。
「生きづらさ」の鎧を脱ぎ、楽で自由になるカウンセリング。
心理カウンセラーの野内みちるです。
カウンセラーとして、日々、様々な相談をお聴きします。
しかし、日本ではまだカウンセリングに行くというのは、相当にハードルが高いと思われる方も多いようです。
心身ともに限界になるまで我慢に我慢を重ねてから、やっと最大限の勇気を奮ってカウンセリングに来たという方も珍しくないように思います。
心身ともに限界になるまで我慢するのは、ご本人にとって、とても大変だったのだろうなと思います(涙)。
カウンセリングに限らず、人に相談することで、新しい視点や見方を得ることができます。
しかし、そもそも「相談できない・相談が苦手」で一人で頑張っている・我慢しているという方もいると思います。
皆さんも「人に相談しましょう」「一人で悩まずに気軽に相談してね」みたいな言葉を目にしたこともあるのではないでしょうか?
何なら、厚生労働省とかいろいろな自治体とかのHPとかでも書かれていますよね。
でも、「いや、それができないんだよ」「相談?何それ美味しいの?」という方もいるかと思います。
この記事は、「相談できない・相談が苦手」な方に向けて、
〇「相談できない・相談が苦手」という方の5つのパターン
〇パターン別の対処法
を書いています。
「相談できない・相談が苦手」で、一人で頑張っている・我慢している人が、少しでも楽になれる一助になればと思います^^
「相談」という選択肢がないパターン
そもそも自分が悩んでいたり困っていても、「相談」という選択肢がない・「我が辞書に『相談』の2文字はない!」というパターンの方。
無い袖は振れないのと一緒で、そもそも「相談」という選択肢がない人は、相談することはありません。
自分の辞書から「相談」が抹消されている時に起こりがちなことは以下があるかと思います。
〇2~3日自分で悩んでも答えがでないことも、「他人に相談してみよう」というアイディアがそもそも出てこない。
〇「一人で悩まずに気軽に相談してね」という言葉を見ても、日本語の意味は分かるが、自分事に置き換えて考えることがない(他人事のような感じ)。
〇他人が誰かに相談しているという話を聞いて、「その手があったか!」と驚愕する。
このパターンの方は、まずは自分がそのパターンに陥っていることに気が付くことが対処法になります。
この時、もし上記が当てはまって、自分の辞書から「相談」が抹消されているかもと思った方も、だからと言って「自分ってダメだ」とか思う必要はないと私は思います。(様々な背景があって、そうなっていたと思いますので。)
「もしかしたら、私の辞書から「相談」が抹消されているかも?」「自分が悩んでいたり困っていても、「相談」という選択肢がないのかも?」と自分の状態を意識化する。
それによって、「相談するという選択肢もあるのだ」と思えるようになれば、かなりの大きな前進と思います。
相談するって相手に何か悪い気がするパターン
自分が悩んでいたり困っていて、誰かに相談してみたいという気持ちもあるけれども、「相談するって相手に何か悪い気がする」「相手に負担になるのではないかと思う」と相談できない。
こういうパターンの方もいます。
この場合の対応策としては、
立場を逆に考えてみる
のはいかがでしょうか^^?
具体的には、あなたが誰かに相談するのではなくて、誰かからあなたが相談される時のことを考えてみます。
例えば、あなたが友達から相談される時どのように感じるでしょうか?
確かに忙しい時とかは負担かもしれませんが、「ああ、悩んでいるんだな。信頼して話してくれて嬉しいな。できるだけ何かしてあげたな」みたいな気持ちが少し出てこないでしょうか^^?
そう考えると、もしかしたら、友達もあなたから相談されたら、嬉しいと思うこともあるのではないでしょうか^^?
しかし、上記を読んでも、「うん…、そうだね…、確かに…、分かるんだけど……、でも…………」と三点リーダー祭りになってしまう時もあるのではないかと思います。
もちろん、単純に考え方に慣れないということもあるかと思うのですが、「他の人は相談しても良いけど、自分はどうしても何か悪い気がする」と思われる方は、罪悪感を緩めるのはいかがでしょうか?(罪悪感は、「私が悪いんだ」と思う気持ちなので)
罪悪感の緩め方については、この本がおススメです。
「相談することの効果に疑問」「相談しても何も変わらないのではと思う」パターン
「相談することの効果に疑問」「相談しても何も変わらないのではと思う」という方もいると思います。
確かにそのように感じることもあるかと思います。
例えば、
「家族との関係が諸々の事情でこじれていて、とても大きな葛藤がある。とはいえ、家族は変えられない」
「仕事で上司に微妙に辛く当たられているけれども、パワハラというほどではないから、コンプライアンス室に行くこともできない。かといって、お金の問題もあるから辞めることも難しい」
など、確かに、相談して、秒で解決策が出て、全方向・大団円・一刀両断・スッキリ解決!みたいなことは難しいのかもしれません。
一方、聴き上手な人だったり、共感しながら聴いてもらえる・傾聴してもらえると、以下の効果があります。
〇実際には、何一つ問題が解決していなくても、気持ちが楽になる(感情が解放される)。気持ちが楽になった状態で少し冷静に問題を見ることができる。
〇自分の話が整理される(自分で考えているつもりでも、相手から質問されると「えっと。それは考えてなかった」と思わされることはあるかと思います)
日常生活で例えると、友達と待ち合わせの時間が迫っていて、早く家を出ないといけないと(A)めちゃくちゃ焦っている時に限って、(B)なぜか家のキーが見つからないということがあった時、少なくとも以下のように2つのアプローチがあるように思います。
(B)「家のキーを見つける」という実際の解決部分へのアプローチ
(A)「めちゃくちゃ焦っている」という気持ちをまず落ち着けるアプローチ→それからキーを探す。
つまり、(A)気持ちをまず落ち着けるだけでも、(B)実際の解決のパワーになることもあります。
(焦って探している時は見つからなかったカギが、気持ちを落ち着けて探したら見つかったということってあるかと思います。)
このタイプの方は、相談のこのような効果を考えてみて、相談するかを決めていただくという対処法もあるかと思います^^
「自分が悩んでいることって小さなことなので相談というと躊躇してしまう」パターン
自分が悩んでいたり困っていて、誰かに相談してみたいという気持ちもあるけれども、自分が悩んでいることって小さなことなので相談というと躊躇してしまう。しょうもないことで悩んでいるので、相談というほどでもとも思ってしまうと、なかなか相談に至らない。
このような方もいると思います。
まあ、もちろん、何事も是非相談!というわけでもないと思うのですが、少し相談してみたいなという気持ちもある方もいらっしゃるかと思うので、この場合の対応策を考えていければと思います。
同じ悩みを友達が悩んでいたら?
「自分が悩んでいることって小さなこと」「しょうもないことで悩んでいる」と自分の場合は思うかもしれませんが、同じ悩みを友達が悩んでいたら、「小さいこと」「しょうもない」と思うでしょうか?
友達の場合は同じことでも「大切なこと」として扱えるけれども、自分のこととなると「小さなこと」「しょうもないこと」として扱ってしまう場合は、自分に厳しい方が多いように個人的には思います。
友達が同じ悩みを悩んでいたらと考えると、自分に対する厳しさに気がつけるかもしれません。
【参考記事】
小さなことでも引っかかっている場合
もし仮に、一般的に見てもどちらかと言うと小さなことかもしれないけれども、それが自分にとって引っかかっている場合、逆に、あなたは小さなことを拾える繊細な感性を持っている方ということではないでしょうか?
HSP(Highly Sensitive Person=とても敏感な人)という言葉が市民権を得てきた昨今、Wikipediaさんによると、HSPは以下のように定義されています。
このように、感受性は人によって異なるわけですし、
「自分が悩んでいることって小さなこと」「しょうもないことで悩んでいる」
=「小さなことに気付ける感受性がある」
と解釈できます。
こちらに当てはまる方は、HSPに関する本やYoutubueを見てみるというのでも良いかもしれません。
「過去に相談して嫌な思いをしたので、なかなか相談に踏み切れない」パターン
過去思い切って、自分の悩みを相談したけど、まともに話を聞いてもらえなかったとか、「そんなことぐらいで甘いな」とかむしろ否定されたとか、そんな経験をしたので、なかなか今も相談に踏み切れない。
このように、「過去に相談して嫌な思いをしたので、なかなか相談に踏み切れない」という方もいます。
これは、本当に辛い( ;∀;)。
困っているから相談しているのに、さらに無視・否定されたら、死者に馬乗りになってムチ打つレベルできついですよね。
もしこういう方がいらっしゃったら、まず、上記のような経験をしたら、相談できない・相談が苦手になるのも無理ないし、本当によくお一人で頑張ってこられたのではないかと私は思います。
なので、まずは相談云々の前に、その時に感じた恨み・辛い・怨嗟といった感情を吐き出すのがおススメの対処法になります。
具体的には、何でも良いですが紙に書きまくる。
感情を紙に吐き出しまくると、感情が消化されていき「なんか、もうどうでもええわ」みたいになったらだいぶスッキリするのではないかと思います。
この時、もしかしたら、「とはいっても、相手にも相手の事情があるし」とか「私もうまく話せなかったし」とか、「そんなネガティブなこと思っちゃダメ」とネガティブなことを思う(感じる)ことにストップがかかってしまう方もいるかもしれません。
確かにあなたの相談を無視・否定してきた人にも何らかの事情があったかもしれないし、なかなかあなたの話をうまく理解できなかっただけなのかもしれません。
もしそれでも、自分がネガティブな感情を感じたとしたら、まずはそれを「そう感じているんだな~」と認めてあげてほしいなと思います^^
【参考記事】
最後に
この記事では、
〇「相談できない・相談が苦手」という方の5つのパターン
〇パターン別の対処法
について書いてきました。
過去、私は自分が誰かに相談するのがものすごく苦手でした。
なので、誰かに悩みを相談するのは、人によってはとてもハードルの高いことだという気持ちは、お察しします。
「誰かに相談したいけど誰にも話せない」という葛藤に苦しんでいる人も少なくないと思います。
今日の記事が、一人で頑張っている・我慢している人にとって、何か少しでも参考になれば幸いです^^
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