こんにちは(^^)。心理カウンセリング勉強中の野内です。
今日は、以下の架空のクライアントさんのケースに全力で答えるという、エアカウンセリングを行いたいと思います。
この事例は、カウンセラー根本裕幸先生の心理カウンセラー養成講座(お弟子さん制度4期)の中で事前課題として出されているものです。
アンダーグラウンド(依存症)の事例:Eさん
30代女性。10代の後半から男性に依存する生活が続いている。常に彼氏がいなければ不安で仕方がなく、彼氏がいても誘われたら浮気をしたし、セフレのような存在が常にいる。7、8年ほどパパがいたこともあるが、その生活はとても苦痛だった。大学生の頃から風俗やキャバクラでバイトをし、OLになってからも給料では足りなくて時々デリヘルで稼いでいた。そんな生活は続けられないと思い、3年前くらいからネットビジネスを始め、毎月いくばくかの収入は得られているものの、もうしんどいのでまた水商売に戻ろうか考えている。もちろん、今も昼間はふつうに働いてはいるし、彼氏もいるが、「いつかはいなくなってしまうのでは?」という不安は全然ぬぐえない。
子どもの頃から両親は不仲で、父親は飲み歩いていてあまり家に帰ってこず、その一方で、母親が常に浮気をしているような家庭だった。お金の問題は常にあって、父親は給料を家に入れない時もあったので母親がパートをしたり、スナックでバイトしたりして何とか家計をやり繰りしていた。母親は「あんたたちさえいなければ離婚していたのに」とか「手に職があったら、とっととお父さんと別れて自由になれるのに」などとずっと愚痴を言っていて、家に居場所はなかった。(母親が男を家に連れ込むこともあった)
妹は小学生の頃から不登校になり、今もほとんど引きこもりの生活をしている。父親はアルコールで肝臓がやられてしまい、入退院を繰り返して、母親はますますお金を稼がなければいけなくなり、時々私に無心をしてくることがある。
そんな家が嫌で、高校生の時に彼氏の家に転がり込むようになり、それ以来、あまり実家に帰っていない。とにかく、不安感が常にあり、何かにすがりついていたい思いがいつもある。男性から求められると安心するので、それを常に求めている感じ。アルコールも辞められず、このままでは父親と同じ運命をたどるのか?と思うと本当に絶望してしまう。
どうしたらこんな生活を抜け出せるのかが知りたい。
ここから回答です。
もしかしたら、お話するのも勇気が必要だったかもしれません。
ご相談、本当にありがとうございました。
何だか表面的なパターンは違えど、他人事とも思えぬご相談と思っています。なので、今日の記事は泣きながら書きました( ;∀;)←えっ…
カウンセリングでは、今あることが良い・悪いという観点から見るのではなくて、どうしてその状態が生まれてきたのかという理由を一緒に考えていくと思っています。
なので、いろいろとお話いただくことに、「そんなことしたらダメじゃないか」とか「そんなふうに考えたらダメじゃないか」とか言うことは決してないので、ご安心いただけたらと思います(^^)。
最初にお聞きしたいこと
〇3年前くらいからネットビジネスでいくばくか稼いでいる
〇客観的な状況から見ると大変なご家族のもとで育ち、いろいろと困難もあったと思いますが、その中でもネットビジネスしながらもお仕事もし、彼氏さんもいる。
〇カウンセリングに来るという行動力と決断力。
これはなかなかできることではないと思うのですが、ご自身のことを、どのように思っていますか?
「そういう良い面もあるな~」と思える感じか、それとも「いやいや」と思われる感じか、どのように思われるでしょうか?
また、「常に彼氏がいなければ不安」「不安感が常にあり、何かにすがりついていたい思いがいつもある」と書いて下さっていますが、アルコールを飲むと不安が和らぐ気持ちがあるのでしょうか?
ものすごく強い不安があるので、それを何らか緩めるような何か(男性なりアルコールなり)を強く求めている?
まず、もし、アルコールを飲むと不安が和らぐとか、書いて下さっている通り、男性から求められると安心するということでしたら、何らかの不安を解消するために、男性だったりアルコールだったりを求めているということではないかと思います。
それで、ものすごく強い不安があるならば、それを解消できるものを、ものすごく強く求めてしまうのも当然のことかと思います。例えば、何日も食べていなかったら、道に落ちているものでも食べたくなるではないでしょうか?何日も水を飲んでいなかったら、泥水でもすすりたくなるのではないでしょうか?
つまり、Eさんの状況は、ものすごく強い不安があるので、それを何らか緩めるような何か(男性なりアルコールなり)を強く求めているという状況ではないかと思いました。これは、もし多くの人が同じ状況に立たされたら、同じようにするのではないかと思います。
私も数年前は、アルコールに依存していた時がありました。別に、お酒の味が好きというわけでもなかったんです。でも、飲んだ時の酩酊感、飲んだ時だけ息がつけるような気持ち、本当に酸素を求めるみたいに死に物狂いで固執していました。
なので、まず、今の状況は、「そこ(男性なりアルコールなり)しか逃げ場がなかったのかな~」とまずは、そうなっているのかもと考えてみていただけますでしょうか?
カウンセリングの方向性
もし、ものすごく強い不安があるので、それを何らか緩めるような何か(男性なりアルコールなり)を強く求めているという状況かなと思えましたら、男性なりアルコールなりをすぐに辞めるということではなくて、その「ものすごい強い不安」を解消していくことに取り組んでみるのはいかがでしょうか。
図式化すると以下のような方向性です。
今:ものすごく強い不安→不安を緩めるもの(男性なりアルコールなり)を強く求める
今後:不安が少なくなる→不安を緩めるもの(男性なりアルコールなり)を求める気持ちも弱くなるので、今の状況から自然と脱出しやすくなる。
では、具体的に「ものすごい強い不安」を解消するにはどうしたら良いかについて、書いてみたいと思います。
Eさんが「ものすごい強い不安」を感じていたことは過去にどのような時があったか覚えていますでしょうか?
ご家族のことを書いて下さっていますが、「両親は不仲で、父親はあまり家に帰ってこず、母親が常に浮気をしている家庭だった」ということで、そういった時、Eさんはどんなお気持ちを感じていらしたでしょうか?
この辺は、カウンセリングでは、ゆっくりとお話を伺ってみたいところではあります。
今の大人の自分から、その時の自分に向けて気持ちを受け止めて労う手紙を書いたりできますでしょうか?
カウンセリングでは、ずっと大変だった子どもの自分をイメージワークの手法を使って癒していくという方法もあるかと思います。
最後に
今、本当に辛いお気持ちがあると思います。
生きづらくて、絶望的な気持ちもあるかと思います。
ただ、それを乗り越えた先、「こんなに生きるのって楽なんだ」とか「こんなに息がしやすいなんて!」と思える日が来ると思います。
その時、ものすごく強い不安を過去に持っていた人は、安心な暖かい空間を創る才能へと変わるのではないかと思います。
〇不安がどれほどに身を切るほど辛いものなのかということ。
〇安心がどれほどに人を伸び伸びと暖かく励ますのかということ。
〇安心が、不安で下を向いている人の顔を再び上げさせることができること
そんなことを身をもって知っているのですから。
読んで下さってありがとうございました(^^)野内でした。
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